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(動画は記事中盤にあります)
鳥飼です。
こちらの記事で、「僕の記憶する限り鳥取県の選手で”強烈な当たりのホームラン”は3本あった」と書きました。
また、その動画も探してみたらありましたので、このブログの読者の皆様にもご紹介しようと思い、記事にしてみました。
今回は、1987年夏の八頭(やず)高校の綾木進一選手のホームランをご紹介します。
~~~ 目次 ~~~
「八頭(やず)高校」といえば、「スモールベースボール」だが・・・
鳥取県の高校野球ファンの中で、「八頭高校」といえば、「スモールベースボールでワンチャンスをものにする」イメージでしょう。
たとえば2003年夏の「八頭vs小山(栃木)」、2008年春の「八頭vs宇都宮南(栃木)」は、
・堅く守って、
・耐えに耐えて、
・ワンチャンスで得点をかっさらう。
という、実に八頭らしい、痛快な試合でした。
しかし、そんな八頭も、実は1988年夏に甲子園に初出場したときは、そのイメージとは真逆の「強力打線」が売りのチームでした。
特に、主砲の綾木進一選手は、バッターボックスでの立ち振る舞い、表情、体格含めて、鬼気迫る雰囲気を持っていました。僕の中のイメージでは、今でいう、中田翔選手(大阪桐蔭→日本ハム)と重なります。
動画の前に。鳥取県予選で、綾木進一選手を見たときの思い出
印象的なのは、1987年の鳥取県の予選で、綾木進一選手がホームランを放ったシーンです。たしか準決勝か決勝かのどちらかの試合でした。
そのときの様子はいうと・・・
いつのように綾木選手がバッターボックスに立ちました。で、一塁側のカメラがやや空撮ぎみにバッターボックスの綾木選手を映し出したんですが、そのとき僕は「ものすごい迫力」を感じました。
同じ雰囲気を実況アナウンサーも感じたのか、「怖いバッター綾木!」と発しました。その瞬間、僕の頭の中では、数秒後に綾木選手がホームランを打つシーンがかけめぐっていました。
僕は超能力者でもなんでもありませんが、そんな凡人の僕にさえ、そんな未来予測現象を引き起こさせた、綾木選手のそのときの迫力は本当にすごいものがありました。
そのテレビ中継は友達と一緒に見ていたのですが、ちょうどそのとき、友達はトイレに行っていました。なので、僕は「今から綾木がホームランを打つから、早く来い!」的なことを言ったのを覚えています。
予想どおり、綾木選手はホームランを打ちました。
八頭高校の綾木進一選手が甲子園で放った「一発」の映像
さて、そんな綾木進一選手が甲子園で放ったホームランが、以下です。
何十年ぶりに見ましたが、やはり強烈な当たりですね。思いっきりバットを振りぬいています。僕の記憶では「高く上がった」ホームランでした。ちょうど、巨人の原辰徳選手の有名なシーン「バット投げ」のときのような感じだと思っていました。
でも、それは記憶とは違いました。今見ると、弾丸ライナーですね。
とはいえ、当時の高校球児に多かった「ラッキーゾーン」へのホームランではありません。しっかりとスタンドインしています。そんなことも、鳥取の高校野球ファンに強烈なイメージを与えたのだと思います。
このホームランは、僕だけでなく、鳥取県の高校野球ファンの中では、語り草になっています。
ちなみに、綾木進一選手の風貌は、僕の記憶と違いました。中田翔みたいな感じではありませんね。ちょっとした俳優みたいな感じです。ただ、体つきはがっちりしていて、長身です。これは記憶と同じでした。
八頭・綾木進一選手のホームラン(10:00くらいから)
すごい当たりですね。
原辰徳のバット投げのホームランの映像
ちなみに、上で少し触れた、「原辰徳のバット投げホームラン」は以下です。時期的には綾木選手のホームランより後です。
若い方はわからないでしょうが、「原辰徳」といえば「チャンスに弱い」というのが日本国民の常識でした。
大勝しているときの「ダメ押しの一発」、大敗しているときの「焼け石に水の一発」というのが多く、試合を決する大事な場面では、「ポップフライで凡退」というのが典型的な原辰徳選手のイメージです。
何年か前、原監督が巨人の坂本勇人選手を「坂本はポップフライが多い」と批判したのですが、それに対して巨人ファンからは「お前が言うな」とネットで書かれていました。
それには、そんな背景があったというわけです。
さて、そんな原辰徳選手が、「大事な場面」で打ったシーンが、まさに「原辰徳のバット投げ」のシーンです。
堂々たるホームランですね。
なお、原辰徳選手が「チャンスに弱かった」というのは、実は全く違ってむしろ「チャンスに強かった」説を述べている人もいます。イメージとはうらはらに、「得点圏打率」などの数字上ではそうなるとのことです。
これについても、後々、このブログで触れていく予定です。
綾木進一選手と原辰徳選手の違いは?
上に書いたとおり、原辰徳選手は「チャンスに弱い」ところがありました。実際はどうかは置いておいて、少なくともそういう「イメージ」は確実にありました。
しかし、綾木進一選手は、明らかに「チャンスに強い」選手でした。そういうところが、今でも鳥取の野球ファンの中で語り草になっている要因です。
選手にはいろいろなタイプがいますが、その中で、「持っている人」はなかなかいません。「持っている人」とは「運がいい人」というような意味です。「大事な場面ではアイツが必ず決めてくれる!」という感じの人ですね。
サッカーで言えば本田圭佑選手のような人です。どんなに不調が続いても、大事なときには活躍する人って、いますよね?
綾木選手は、まさにそんな人でした。
ちなみに、元巨人のストッパーで、米子工業高校出身の角盈男氏は、著書で「持っている人」について語っています。角盈男氏の言葉を借りると、「勝ち方を知っている投手」です。
どんなに球速が速く、鋭い変化球を投げる投手でも、「勝ち方を知らない人」はいい成績を残せないそうです。その代表例として、角氏は伊良部秀輝投手(ロッテ→ヤンキース)をあげていました。
このことについても、後にこのブログでご紹介していく予定です。
次の記事では、「2008年夏の鳥取西の小畑彰宏選手のホームラン」をご紹介します。
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