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~~~ 目次 ~~~
前回までのおさらい
どうも、鳥飼です。前回までは、以下の内容を書きました。
- 鳥取県人は消極的であることが特徴であり、それが高校野球の成績にはマイナスになっていること
- 消極性をなくすためには、積極的な人に囲まれたり、積極的に行動する系の本を読むことが大事であること
以上をふまえて、野人・岡野、つまり岡野雅行さんの著書「野人伝」をご紹介したりもしました。
さて、今回の記事は、その続きです。
消極的なことは、技術習得には悪いことばかりではない
以上の内容と少し矛盾するかもしれませんが、鳥取人特有の「消極的」なことは悪いことばかりではありません。
技術を習得することにおいて、「消極的であること」には、いいこともあります。それは、「ある程度のレベルまではすぐに上達する」ということです。
つまり、積極的に自分で工夫したりノウハウや参考書を探すのではなく、指導者の言うことを100%信じて、ひたすら吸収していくやり方です。
たとえば、「掛け算九九を覚える」というのは、決してレベルが高いことではありません。「まずは覚えろ」という世界です。他県の子なら「なんでこんなの覚えなきゃいけないんだ」と疑問を持って自分のやりたい方向に進んでしまうことでしょう。場合によっては、先生に反抗することもあります。
でも、鳥取の子は素直だから何の疑問も持たずに覚えます。
つまりある程度のレべルなら、鳥取の子の方がむしろ早く上達するのです。
鳥取の子は、「そつなくこなす」。他県の子は、「いい加減」。
僕は、鳥取の人を見ていていつも思うのが、「そつなくこなす」ところです。勉強でもなんでも、課されたことを何の疑問もはさまずにきっちりとこなす印象です。
学校は鳥取も鳥取県外もどっちも経験しましたが、鳥取の子は先生の言うことを守ります。宿題はきっちりやりますし、掃除のしかたを注意されたら次の日から直っています。
僕も鳥取の人間なので、もちろん、先生の言うことはきっちりと守りましたが、それにしても、同級生たちがそれ以上にきっちりとしているので、内心、いつも焦っていました。
他県の学校の場合は、同級生はみんないい加減でした。宿題はあまりやらないし、掃除の仕方を注意されても、直しません。よく言えば感覚で生きています。自分が快適だと思ったり、自分に関係があると思ったことは頑張りますが、それ以外のことはいい加減です。
「教科書を覚える」ような、きついことは他県より鳥取の子の方が優れている
逆を言えば、そういう「自分の判断で動く」というのは、大人になってからはいい方向に作用します。人間は、なんだかんだで最終的には自分の意志で行うことに一番、力が入りますから。
しかし、中学校ぐらいまでの段階だと、物事の判断力はついていない可能性が高いです。刹那的な快適さを求めるがあまり、将来性につながらない行動をしてしまうことになりかねませんから。
勉強でいえば、教科書を覚えるのはきついことです。でも、そのきつさを克服しておけば、将来につながります。そういう部分では、圧倒的に鳥取の子の方が優れています。
鳥取の中学野球は、比較的、レベルが高い
野球でいえば、鳥取は中学のレベルまでは高い方です。硬式リーグ、つまりシニアリーグ、ボーイズリーグは全国でわりと勝っている方です。少なくとも甲子園の鳥取代表の戦績よりはずっといいです。大阪にも勝っていますからね。
中学軟式はちょっと力不足な感じはありますが、関係者から話を聞く限りでは、全国と大きく差がついているわけではないようです。
野球は、中学までのレベルは、「まずは言われたとおりにやれ」という世界でしょう。自分の考えがおよぶ余地がなく、基本的な動きと戦術で勝負するわけですからね。
このように、消極的で自分の考えをはさまない場合、ある程度のレベルまではすぐに行けるという良さがあります。なので、鳥取の中学までの選手には、そういう部分は大事にしてほしいと思います。
鳥取出身の人は、「トップ」の地位にいる人が少ない
もちろん、高校野球のレベルになると、積極的な気持ちがないととても全国では勝てません。これは何も野球だけに言えることではなくて、全てのジャンルに当てはまります。
事実、あらゆる分野で、鳥取出身の人は「トップではない、その下のレベルの人」が多いです。トップ、つまり大企業の社長とか、大物政治家とか、金メダリストとか、主演レベルの俳優とか、バンドの中心メンバーなどはほとんどいません。そのかわり、「影で支える」的な地位にはけっこう、鳥取の人が多くいます。
古い話ですが、ビートたけしさんがバイク運転のトラブルで入院したとき、しばしば会見していたオフィス北野の代表がいます。この人が鳥取県の出身ということで、県内ではちょっとした話題になりました。森昌行さんという方です。最近も、たけし軍団のお家騒動で話題になりましたね。
ダンカンさんがインタビューで語っていましたが、森昌行さんはまさに縁の下で支える存在で、特に若いころはたけしさんや軍団のメンバーと夢を語り合っていたそうです。
その夢というのも、森昌行さんが表に出るのではなく、下で支える形で関わっていきたいというような内容だったようですね。まさに鳥取的だと思います。
鳥取出身のタレントと言えば・・・
鳥取出身のタレントで、今、一番有名なのは、「イモトアヤコ」でしょう。イモトは正真正銘、鳥取の人です。他の地域で育ったわけではありません。米子西高校出身。米子のエース、鳥取県の期待の星ですね。
ただし、芸能界でトップかというと・・・脇役的な感じですね。もちろん、「世界の果てまでイッテQ!」の珍獣ハンターなどでは主役を張ってますが、ちょっと、無理している感じがありますね(笑)
鳥取県人がトップを張るとああいう、「無理してる感」がどうしても出てしまいます。でも、よく考えてみてください。イモトって、社長の秘書とか、社内広報担当とか、社外との折衝役では、ものすごく優秀なスタッフになるような気がしませんか?
「主役でいるイモト」も応援したいですけど、いつかは、芸能界を影で支える「裏ボス」的なところを目指してほしいな、と個人的には思っています。
鳥取出身の大物政治家といえば・・・
2018年現在、鳥取出身の大物政治家といえば、石破茂氏ですよね。鳥取の皆さんは、石破さんの若いころをよく覚えておられることでしょう。僕もよく覚えています。
失礼ながら(汗)、地味すぎて県民として恥ずかしくなってしまうくらいの人でしたね。典型的な「鳥取っぽい人」です。政治家なんかやらずに、銀行員を続けていた方が絶対にうまくいくのに、と思ったものです。
ただ、新人議員時代から、積極的にテレビや雑誌に出て発言をしていました。多くの鳥取県民は、「無理している」と感じたでしょう。僕もそうです。そのうち疲れて、「裏で支えるキャラ」に変えるに違いない、と思っていました。
でも、いつの間にか大物政治家になっていましたね。しかし、しかしですよ?総理になれるかといったら、どうでしょうか?
僕は鳥取県民として、石破茂氏がいつの日か、総理大臣になることを強く望んでいます。しかし同時に、総理ではなく、「影で支える」的な方がキャラに合っている気がする、という気もします。
石破茂氏=徳川秀忠論
まあでも、石破さんはハイブリッドかもしれませんね。つまり、石破さんは高校時代は鳥取から出て東京(慶応)に行っているわけです。
なので、総理になるとしたら、鳥取的な「影で支える」キャラを濃く保ったままで、トップとしての役割を果たすでしょうね。
リーダーというものは、強く引っ張ることも大事ですが、時代によっては、かえって「影で支える」的なキャラの人が合っていることもあります。
歴史を見ても、徳川幕府の時代でいえば、2代目、徳川秀忠などがそうですよね。初代、家康の意志を継いで堅実に政務をこなし、国力の基礎を固めたうえで、次の家光に多くの手柄を渡しました。
今は、安倍晋三氏が強いリーダーシップを発揮しています。なので、歴史の流れで見れば次の総理大臣は、石破茂氏のような人が適任のような気がします。もちろん、鳥取県人としてそう信じたい、という思いも加わっていますが、冗談抜きで、そうだと思いますよ。
人には、いろいろな役割がある。
このように、鳥取の人は表に出ないかわりに、影で支える人はとても多いです。会社組織で言えば、優秀な幹部クラスといったところでしょう。これはとてもいいことだと思います。
人には役割というものがあります。すべての人が社長タイプでもないし、表に出るタイプの人でもありません。命令を忠実に守るとか、ひとつのノウハウを大切に継承していくタイプの仕事には鳥取人はとても向いていると思います。
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