どうも、鳥飼です。
前回の続きです。鳥取県は社長などのトップの地位にいる人は少なく、その下でサポートする役割の人が多いということを書きました。今回は、そこを掘り下げてみますね。
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鳥取県は、「都道府県別・社長出身地で、全国最下位」。
鳥取県にトップレベルの人材が少ないことを表すデータのひとつに、「都道府県別・社長出身地」があります。
東京商工リサーチさんが出しているデータ(2016年)によると、鳥取県は「社長」の数が全国で一番、少ないです。ただ、これには「鳥取県が人口が一番少ないからだよ」と反論する人もいるかもしれませんが、そうとも言い切れません。
鳥取県の、社長輩出率は、全国で31位。しかし・・・
実はもうひとつデータがあって、それは「社長輩出率」です。これは、人口の違いを除外し、比率に直した数値です。それによると、鳥取県の社長輩出率は31位です。
「31位?。なーんだ、最下位じゃないんだ」
と思ったなら、もう少し注意して順位を見なければなりません。
というのも、「社長輩出率」で鳥取より下にいるのは東京、神奈川、大阪、兵庫、京都、宮城など大きな都道府県がほとんどなのです。これらは、企業が集まる都道府県です。企業が集まるということは、他県から流入してくる人が多いということです。つまりは、「奪われるパイ」になっている都道府県ですね。奪われるパイですから、必然的に社長輩出率は下がります。
この観点から見た場合、鳥取は「奪われるパイ」ではありません。むしろ、大都市圏に出てパイを奪っていくべき側の県です。そういう県に限定すると、鳥取県の社長輩出率は最下位に近いのです。
鳥取県と島根県は、全国的には「似てる」と思われているが、実は全然違う!
ちなみに社長輩出率の1位は徳島県です。で、同じ山陰の島根県は9位と、非常に高い位置につけています。鳥取県と島根県は他県の人からする似たようなイメージでとらえられますが、われわれ鳥取県人の感覚からすると、全く違いますよね。それが、実際に数字となって表れているわけです。
鳥取県の人はすごく感じることですが、島根県の人は「積極的」なイメージがありますよね?政治でも経済でも主張をしています。政治だと、「竹島の日」をつくりました。海外に喧嘩を売るなんて、鳥取人には考えられないことです。さらに、総理大臣を2名輩出しています(若槻礼次郎・竹下登)。また、社会活動家、起業家、芸能人、スポーツ選手もとても多いです。
もちろん、徳島県も有名人やスポーツ選手をたくさん、輩出しています(高校野球にいたっては、池田高校が一時代を築いています!)。
つまり、社長輩出率が高い徳島県や島根県は、積極的にパイを奪っていく人が多いわけですね。社長になったり、東京に出て中心的な役割で活躍するのです。そのためには強いリーダーシップが必要です。で、強いリーダーになれる人は、鳥取県人の気質である「消極的」な人ではないわけです。
鳥取県人は、他県に行ってパイを奪わない。しかも、鳥取県内のパイも、他県の人に奪われている。
なお、東京商工リサーチさんが出したデータ(2016年)にはもうひとつ面白い指標があります。それは、「地元率」です。これは、県内企業の社長が、その地元出身者であるかどうかを表した数値です。この数値によると、鳥取県内の企業の地元率は31位です。これも、高い数値ではありません。
ここからわかることは、鳥取県人は、他県に行ってパイを奪うこともしないし、鳥取県内においても、パイを他県人に奪われている、ということです。これは実際に鳥取に暮らしている感覚でもなんとなくわかると思います。鳥取県内の会社の社長さんは、わりと、県外出身者であることが多いですよね?で、鳥取県の人はその下で、優秀なブレーンとなって支えている、というパターンが多いです。
これはいいとか悪いとかではなく、鳥取県人はそういう気質を持っているということです。つまり、「鳥取県出身の人が成功しやすいジャンルは、トップではなく、その下のブレーン的な位置である」ということを理解していれば、「人生」を考えるうえでは有効だといえるでしょう。
しかし!
特定の分野においては、鳥取県人の「消極性」はむしろマイナス面が多いことも認めなければなりません。その中のひとつが、まさに高校野球なのです。
なので、僕は、高校野球においては、鳥取県の選手はもっと積極的なマインドをつけなければならない、という主張を、このブログではしていきたいと思います。
追記
社長輩出率で9位だった島根県は、地元率では鳥取県を下回っています。ここからわかることは、島根県は、積極的に県外に出て大都市圏で活躍しようと考える人が多い一方、地元に残って活躍しようとは思わない人が多いという傾向です。
また、社長輩出率で1位の徳島県は、地元率でも高い位置にいます。これが示すのは、徳島県の人は、首都圏だけでなく、徳島県内でも活躍しようと思う人が多いという傾向です。
それぞれの県で、それぞれの特徴がありますね。