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消極的な考えを解消する方法はコレ!
前回の記事は、鳥取県人の特徴である「消極性」が、野球においてはマイナスに作用していることを書きました。では、消極的であることを改善するためには、どうすればいいのでしょうか。
一番いいのは、「積極的な人に囲まれること」です。早い話が、他県に野球留学してしまえば、他県の積極的なマインドに染まることができるでしょう。環境は、人間を変えるものです。鳥取という環境で育ったために消極的な考えになっているのですから、ならば、他県に行けば解決するわけです。
しかし、これでは個人は変わっても鳥取の高校野球は何も変わりませんね。なので、鳥取県の高校野球界を変えるために僕がおすすめする方法のひとつは、
「本を読むこと」
です。指導者の方におかれましては、ぜひ部員に本を読むことを推奨していただけたら、と思います。特に、「何かに積極的に挑戦して成功した人の本」です。
野球以外のスポーツでもいいです。もちろん、スポーツ以外でも構いません。政治・経済界や芸能界、もしくはyoutuberなんかの本でもいいでしょう。興味を持てる本ならなんでもいいです。
練習量を増やす前に、まず意識改革が大事!
冒頭で書いたとおり、環境によって人間は変わります。環境が変わるということは、付き合う人間が変わるということです。
だからこそ他県に留学すれば選手の頭脳に「積極的な要素」が加わるわけです。
しかし!
わざわざ野球留学しなくても「本を読む」ことで、その著者と付き合っているのと同じ感覚を得られます。本には、その著者の考えがまとめられていますよね。なので、リアルで会ってじっくりと話を聞いたのと同じと言えます。でも、こんな反論があるかもしれません。
「本を読む?意味ねーっちゃ。練習を増やしゃええがや。」
と。たしかに、今まで以上に練習を重ねることも大事です。でもむしろ、本をたくさん読んで意識改革をすることこそが、本筋だと僕は思います。
本を読んで意識改革することが、練習量を増やすことよりも重要な理由
だって、練習を増やす理由は、チームを強くするためですよね? 「チームを強くする」というのは、変化です。つまり、「今のまま」ではダメだから、「強いチーム」へと変化させたいということのはずです。
変化をもたらすには、まずは「心構え」がしっかりとしていないといけません。そうしないと、いくら練習を増やしても、ムダになりますよね?
で、その肝心の「心構え」を変えるのは、やたらと練習しまくることではないと思います。そうではなく、冒頭から主張しているとおり、「人からの影響」で考えは変わっていくのです。そのための方法として、「本」を通して「人からの影響」を受けていこう、というわけです。
「ゴミのポイ捨てが多い町」でたとえてみると・・・
たとえば、ですよ?
ゴミのポイ捨てが多い町があったとします。
で、その町の役所が、「ゴミのポイ捨てはマナー違反!」という運動をしたとしましょう。で、あらゆるところにポスターを貼ったり、ビラを配ったり、ローカルニュースで特集を組んでもらったり、といったことをしていたとします。
これが、野球でいう「練習を増やしている」状態です。つまり、「ゴミのポイ捨て禁止運動」を「時間とコスト」(=練習量)をかけてやっているわけですね。
でも、よく考えてみてください。
これって、市民の「心構え」がしっかりしていたら、必要なくないですか?市民の意識が低いから、わざわざ「ポイ捨て禁止運動」をしなきゃしけなくなるんです。
でももし、市民の意識が高かったらどうでしょう? 積極的にゴミを拾うでしょうし、そもそもゴミを出さないようにするはずです。言ってみれば、行政が何もしなくても、「自動的に」町が綺麗になっていくわけです。
野球の練習もこれと同じです。
部員ひとりひとりの意識が「消極的」なのに、無理やり練習量を増やすことは、「ポイ捨て禁止キャンペーン」で無理やり市民に気を付けさせるのと同じことです。もちろん、それでもある程度は効果はあるでしょう。でも、果たしてそれは「本筋」と言えるでしょうか?
やはり、無理やり練習を長時間させるより、選手の方が「こんなの全然足りない!もっと練習したい!」と心から願うマインドになり、そのタイミングで練習時間を増やすことの方が道理にかなっています。
他県の野球部の練習は、鳥取の野球部の練習とあまり変わらない
野球youtuberでqoonin(クーニン)さんという方がおられます。その方のチャンネルには、かつて甲子園で活躍した人たちが出演し、どんな練習をしていたかを語っています。
それを見ればわかりますが、野球強豪校だからといって、特別な練習をしているわけではありません。もちろん、なかには智辯和歌山の「長距離ランニング」や駒大苫小牧の「雪上ノック」ように、他ではありえない練習をしているところもあります。ですが、ほとんどは、鳥取の高校と変わりません。
特に、早稲田実業はむしろ練習量が少ないです。また、明徳義塾も特別なことはやっておらず、2002年夏に優勝したときの主将・沖田浩之さんも、「他県の高校とやっていることは同じ」と語っておられます。
むしろ、明徳義塾は部員数がとても多いので、ひとりひとりの打撃練習、守備練習などが手薄になってしまうそうです。
では、いったいなぜ、あんなに明徳義塾は強いんだ?って話になりますよね。しかも、明徳義塾の高知県は、鳥取県と同じくらい、予選出場校数が少ないんですよ?
いわば、鳥取県の高校と条件が同じなんです。むしろ、ひとりひとりにかけられる時間が多い鳥取県の方が、条件がいいと言えます。
明徳義塾(高知県)が強い理由
前述の元主将・沖田浩之さんによると、明徳義塾のメンバーの力がアップするのは、個人練習だそうです。全体練習にしっかり時間をかけられない分、寮の部屋で筋トレや素振りを行っているようですね。
後にプロ入りする森岡良介さん(中日、ヤクルト)と沖田さんが2人で勝手に早朝練習をして、馬淵史郎監督を打球音で起こしてしまい、怒鳴られたなんて笑い話もあったようです。
つまり、明徳義塾の選手たちは、「練習」というものを強制されるものと考えていないんです。鳥取の選手のように
- コーチに教えてもらう
- 練習時間を決めてもらう
というマインドではなく、練習というものは、「積極的に自分でやるもんだ」という思いがあるわけですね。これなら、たとえ鳥取の高校と同じような練習をしていても、「濃さ」が全然違ってきます。
明徳義塾の練習については、いろいろと興味深いことがあるので、後にこのブログでも触れていきますね。
じゃ、どんな本を読めばいいの?
ここまで僕が主張したとおり、自分から積極的に考えていくのとそうでないのとでは、同じ練習をしていても成果が全く違ってきます。その「意識の問題」を解決するためには、野球の練習の改革よりも、本を読んで思考を変えることが大事だと言えるのです。
もし、これを読んでいるあなたが鳥取の選手ならば、ぜひ本を読んでみてください。あまりこだわりを持たずに、「気になった人の本」でOKです。
とはいえ、膨大な本が売られてますから、どれを選べばいいか迷うこともあるでしょう。一応、目安を書いておきますね。
- 何かに「積極的」になって成功した人の本
- かつ、あなたが興味を持てる人の本
この二つの条件を満たせばOKです。たとえば、僕が最近読んだ本だと森本稀哲さんの著書「気にしない」がとても前向きな内容で学びがありました。森本稀哲さんは帝京高校からプロ野球入りして、日本ハム・横浜で活躍しましたね。小学生のときに頭の毛が抜けてしまう症状にかかってしまって、とても悩んだ時期もあるそうですが、前向きに生きていくことを決め、野球で成功したそうです。
あとは定番ですが、松岡修造さんの本ですね。あなたのまわりが松岡修造さんみたいな人ばかりだったら、あなたも当然、積極的なマインドの人になりますよね。
でも、鳥取県人は消極的な人が多いので、今の状態だと、「消極的な人」に囲まれていることになります。なので、本を読むことで松岡修造さんと毎日、話しているのと同じ雰囲気を頭に叩き込むといいでしょう。
ダメな本とは?
一方、ダメな本の例は、欠点を指摘するタイプの本です。
たとえば、野村克也さんの本なんかそうですね。野村克也さんは筆まめなのか、かなり多く本を出しています。しかし、そのほとんどが、欠点を指摘する内容です。
僕個人的には、野村克也さんの本は好きですよ。鳥取県人は、たいてい好きでしょうね、こういうタイプの本は。つまり、「悪いところを指摘し、それを直していく」タイプの本です。まさに、学校の先生の言うことを素直に聞く鳥取県人の気質にとても合っていますね。
もちろん! 野村克也さんの本を全否定しているわけではありませんよ!
あくまで、今回のこの記事の趣旨で読むなら、野村克也さんの本は合いませんよ、ということです。
実際には、野球をしていく上で悪いところを知ることはとても大事なことです。野村さんのような鋭い眼力のある人が言う意見は、とてもドキッとさせられます。
なので、ケースバイケースで読み分けていくことが大事、ということですね。基本的には、積極的になるために、積極的な人の本を読むのがいいでしょう。で、ときどき、自分の修正点を見つけるために、野村克也さんタイプの本を読む、と。
ちなみに、僕が書いているこのブログは、野村克也さんタイプの内容です。高校野球の鳥取代表がなぜ弱いのかを考えるブログですからね。なので、読んで後ろ向きな気分になりすぎるな、と思ったら、読まないほうがいいかもしれません。
でも、時々、思い出したときに読んでくれたら嬉しいですけどね!
僕自身も、最終的にはこのブログが必要なくなる日が来ればいいな、と願っています。つまり、
鳥取代表が全国制覇する日
ですね。
次の記事では、「前向きになれる」僕のおすすめの本をいくつかご紹介します。