甲子園で鳥取代表が弱い理由② 鳥取は交通の便が悪いから(しかし、逆を言えばそこに希望もある!)

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どうも。鳥飼です。鳥取県の高校野球のレベル向上を願って、このブログを書かせていただいています。

ここまで、「鳥取の高校野球が弱い原因」をいくつか書いてきました。主に、鳥取県民が消極的だからこそ生まれる弊害を中心に書いてきました。県民が消極的だと、当然、選手も消極的になります。

また、県外から来る野球留学生たちも、鳥取に染まってしまって消極的になってしまうという問題についても書きました。詳しくは、過去記事をご覧いただけたら、と思います。

今回は、「鳥取県の交通の便の悪さ」からくる弊害について書いていきます。

鳥取県は交通が発達していない。

さて、鳥取代表が弱い理由のひとつに、「交通の便が悪い」ことがあります。

これを読んでいるあなたは、鳥取県外の方でしょうか?もしそうなら、ちょっと質問したいことがあります。

あなたがもし、鳥取県に旅行に行くとしたら、どうやって行きますか?

ここで、すぐにルートをイメージできる人は、あまりいないと思います。

「そういえば、鳥取ってどうやって行くんだ?」

と思う人がほとんどでしょう。他県なら、なんとなくイメージができますよね。新幹線で行くとか、東名高速道路を車でひた走るとか・・・

でも、鳥取県の場合、全国的に有名な高速道路がありません。新幹線も通っていません。電車も充実していません。

ちなみに鳥取県では「電車」ではなく「汽車」と呼びます。鳥取の列車はほとんど電化されていないので、そう呼ぶわけです。

鳥取人の「あるある」なんですが、高校を卒業して県外で暮らし始めたとき、その土地で電車のことを思わず「汽車」と呼んでしまったりします。その土地の人にしてみれば、「こいつ、鉄道マニアか?」って感じですよね。

ちなみに汽車とはいっても、さすがに蒸気機関車ではありませんよ。ディーゼルです。

道路も発達していない。

それと、高速道路も充実していません。それどころか、つい最近まで、鳥取県は「高速道路がない県」でした。隣の島根県は高速道路が充実しているというのに・・・

ただ、だんだん高速道路はできつつあります。ようやく2010年ごろには「鳥取県にだって高速道路はあるんだ!」と声を大にして叫んでも許されるレベルまで開通が進みました。

しかし、2018年現在、全開通ではありません。たとえば鳥取市から米子市に行く高速道路(山陰道)は、途中の区間が未完成です。なので、その区間だけは一般道を使わなければなりません。

交通の便が悪いと、高校野球では不利。その理由は?

では、「交通の便が悪い」ということが、具体的に鳥取県の高校野球にどのような影響があるのでしょうか。それは、

  • 他県に練習試合のために遠征に行きたくても、なかなか行けない
  • かといって、他県のチームを練習試合相手として呼ぶのも難しい(来てくれない)
  • 他県の指導者との交流が少なくなる
  • 周辺県のライバルチームの情報が入りにくい
  • 地元小学生~中学生が、プロ野球を生で直接見て刺激をあびにくい

・・・という感じですね。

まとめていうと、他県からの情報が遮断されてしまうため、鳥取県内だけで凝り固まった雰囲気になってしまうのです。鳥取県内だけの情報、常識で野球を続けていくので、「代謝」がありません。

野球に限らず、どんなことでもでもそうですが、いろいろなものがどんどん入れ替わっていきながらレベルが上がっていくものです。

たとえば人間の体だって、汗を流して毒素を出して、新鮮な食べ物を食べるから新陳代謝が生まれ、健康になっていきます。新陳代謝が不十分なら、体調が悪くなっていきますよね?

このように、「ずっと同じ状態」が続いていくとマンネリ化するのです。マンネリ化すると、レベルは頭打ちになってしまいます。

事実、鳥取の野球は変化がゆるやかです。いつも思うのですが、「全国の後追い」をしている感じですね。

ピッチャーのフォームや球種、バッターの構え方、走塁のノウハウなど、高校野球を見ていると「流行」というものがあります。鳥取の場合は、その「流行」を少し遅れて取り入れている傾向があるのです。

野球スタイルの流行に後れるとダメな理由。

もちろん、「たとえ遅れて流行を取り入れようと、野球は野球なんだから何も不足はないはずだ」という意見もあるでしょう。

しかし、やはり「流行に遅れる」ということは、いろいろまずいことがあるわけです。その最大の理由は、「対策されてしまう」ということです。

野球の流行がなぜ変わっていくかということには、やっぱり意味があるわけです。だいたい、以下です。

  • どこかの高校が取り入れて有効だった戦術が、他の高校にも浸透していく
  • プロ野球で新しいスター選手が出て、高校生がみんな真似していく

ですね。この流れに早く乗っていかないと、きっちり対策されてしまうわけです。たとえば、「どこかの高校が取り入れて有効だった戦術が、他の高校にも浸透していく」というパターンだった場合。

この場合は、流行りはじめたころはその戦術がすごく効きます。でも、どこの高校もそれをやり始めると、だんだん、対策方法も開発されてきます。

で、鳥取の場合は、全国的には「対策方法が開発されてしまった」段階で、ようやく流行に乗るという感じなのです。これでは、なかなか勝てませんよね。

ネット情報より、リアルな体験の方が大事!

もちろん、今はインターネットが発達しているので、情報格差はありません。どこに住んでいても同じ情報を得ることができます。そういった意味では、鳥取県も不利ではないはずです。

しかし、それはあくまで表面上のことです。インターネットの情報よりも、リアルの情報の方が人間を大きく成長させるものです。

そういった観点から見た場合、交通が発達していない鳥取県という環境は、やはり「本物の情報」を得るのはなかなか難しいのです。

鳥取県人は積極的に県外に出ていかない。だから外のリアルの情報を得られない。

加えて、鳥取県民は消極的なのが特徴です。だから県外にあまり出ません。プロ野球を生で見るという経験をしないし、県外の他の高校の練習を見学するという行動にも出ません。

ただでさえ、交通の不便さから「リアルの情報」を得るのに不利なんですから、積極的にどんどん外に出ていって、いろいろな人と交流しつつ、リアルの情報をつかんでいってほしいな、と思います。

そうすれば、鳥取の野球のレベルは上がります。最低、今よりもワンランク上にはなります。

<以下は、補足です。「以前の記事と矛盾してる」と感じた人だけ読んでください>

僕は、ここの記事で、本を読むことをおすすめしました。その記事と矛盾するじゃないか?という意見も聞こえてきそうなので補足です。

もちろん、リアルに触れるのが一番です。最強です。しかし、人間関係だけは、さすがに消極的な鳥取の人と付き合わざるを得ません。鳥取に住んでいるわけですからね。

あくまで、それを「本を読む」ということで代替しようというわけです。なので、もしあなたのまわりに「積極的な」性格の人がいたら、その人とつながっておくことは重要ですよ。それこそがリアルですからね。

毎年、鳥取代表のチームはマスコミから最低評価をつけられている。

今(2018年現在)の鳥取代表は、甲子園本番前の各新聞社の戦力評価で、ほぼ毎年、

「C-C-C-C-C」

です。ちなみに大阪桐蔭は、ほぼ毎回、

「A-特A-特A-A-S」

です。評価の表し方は各新聞社によって違うので、「A」とか「特A」とか「S」なんていう違う文字が並んでいますが、要するに大阪桐蔭はどこの新聞社も「最高評価」だということです。

ですが、まずは、「普通レベル」までもっていきたいですね。つまり、

「B-B-C-B-C-C」

というように。

ここまで来るためには、練習時間を増やさずとも、他県と交流するだけでなれます。リアルの情報というものは、それだけ強力なのです。

たとえば、鳥取砂丘を実際に見るのとそうでないのとでは、違う。

たとえば、鳥取砂丘の画像だけをいくら見ても、本当はどういうところなのか、一生わかりませんよね?

実際に行ってみると、「思ったより広い」とか「思ったより狭い」とか感じるものがあります。他にも、「砂丘もいいけど、砂の丘を越えた先に見える海の方が感動した」とか、いろいろわかることがあるのです。

人によっては、砂丘の砂粒があまりに細かすぎて、デジカメに砂が入って壊れてしまった、という経験をする人もいるでしょう。こういうリアルの経験をするからこそ、「次に行くときは機械類にはカバーをしよう」という発想もうまれるのです。

他県の選手は、いろんな県のリアルな情報と常に触れているから、インターネットだけではわからない細かい部分までわかるのです。これは、「練習したかどうか」ではなく、単に、「リアルの情報に触れたかどうか」という違いだけです。

こう考えると、「リアルの情報」に乏しい鳥取の野球の現状が、どれだけ不利かわかると思います。でも、悲観的に考えないでください。

これは、裏を返せば「とりあえずリアルな情報に触れるだけで、鳥取の野球のレベルは確実に上がる」という言い方もできませんか?

鳥取は交通の便が悪いので、「他県のリアルな情報に触れる」という意識が低いだけなのです。ならば、「意識的に」触れていけば、交通の便の悪さというデメリットを吹き飛ばすことができるでしょう。

たったこれだけのことで鳥取県の野球のレベルが上がることが確実なのですから、ぜひ、各チームには「リアルな情報」をつかんでいくよう、意識していただけたら、と思います。

リアルな情報をつかむための方法は、いろいろと考えられます。参考までに、次回の記事では、僕からひとつの「案」を提示してみたいと思います。

それは決して、いい加減な想像で思いついたことではありません。僕自身の経験から、「効果がある」と実感していることでもあるので、もしよろしければ、お読みいただけたら、と思います。

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