鳥取県の特徴「ユナイテッド・ステイツ・オブ・鳥取」

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ユナイテッドステイツオブ鳥取

鳥飼です。

高校野球で鳥取代表が弱い理由にはいろいろあります。今回は、その中で鳥取の文化圏に関連することについて書いていきます。

鳥取代表がなかなか勝てない理由のひとつ。それは、「鳥取県に三つの世界が存在するから」

鳥取県の代表は、「鳥取県予選を勝ち抜くだけで満足してしまう」という傾向があります。やはり、満足してしまうとなかなか全国では勝てませんよね。

では、なぜ満足してしまうのでしょうか?それは、

鳥取県には、三つの世界が存在するから

です。そのことについて説明します。

鳥取県に存在する、三つの文化圏

上に書いた「三つの世界」とは、鳥取県に存在する文化圏のことです。

つまり鳥取県の「主要な文化圏」は、三つに分かれているのです。西部の米子(よなご)圏、中部の倉吉圏、東部の鳥取圏です。それぞれ、米子市、倉吉市、鳥取市を中心にして、周辺に町、村などがあります。

鳥取の文化圏

鳥取県には、「市」の数が極端に少ないことは、以下の記事ですでに述べました。

鳥取県民は、鳥取県がそれなりに栄えていると思っている

「市」の数は全国最少です。「4個」しかありません。西から順に、境港市、米子(よなご)市、倉吉市、鳥取市です。

ちなみに市の数の全国平均は「18個」で、鳥取の次に少ない県でも8個はあります。

で、境港市に関しては、隣県の島根県との県境に位置しています。なので、鳥取県の「主要な文化圏」ではなく、ちょっと独特のムードの文化圏と認識されています。

つまりは、鳥取県の主な文化圏は、大きくわけて3つ(米子、倉吉、鳥取)あり、それにプラスする形で独特の雰囲気の「境港市」があると、まずはざっくりと捉えてください。

で、ここで重要なのは、「主要文化圏がたったの3つ」ということです。

他県の場合は、「市」がたくさんあるので、それぞれの「市の個性」が、わりと薄いです。また、フランチャイズの店が隅々まで進出しているため、どこの市に行っても同じような店が並んでいるから個性が薄まるという面もあるでしょう。

しかし、鳥取県の場合は「主要文化圏がたったの3つ」なので、ひとつひとつの個性が強まります。それに、フランチャイズの店の出店がほとんど進んでいません。なので米子市だけの店、倉吉市だけの店、鳥取市だけの店というように地元企業が独自展開しているため、それぞれの市の特徴がますます濃くなります。

鳥取県には有名なフランチャイズ店がほとんどない

大企業が支店(orフランチャイズ店)を全国に出すとき、たいてい、一番最後に来るのが鳥取です。いや、来るのならまだいいのですが、来ない場合もたくさんあります。たとえば、鳥取県には以下の店がありません。

松屋
ミニストップ
デイリーヤマザキ
サークルKサンクス
サイゼリヤ
築地銀だこ
びっくりドンキー
紅虎餃子房
バイク王
まねきねこ
ラウンドワン
タワーレコード
ロイヤルホスト
バーミヤン
iphoneの正規修理店
三菱東京UFJ銀行(三大メガバンクのひとつ)
三井住友銀行(三大メガバンクのひとつ)

これらの店は、どこの県を車でドライブしてもたいてい、見られます。日本国中の人におなじみの店と言えるでしょう。

ただ、鳥取の人はこれらの店がないことに劣等感を感じていません。というかそもそも関心がありません。「全国区のCMで見たことあるなあ」と思う程度です。うらやましいとも「来てほしい」とも思いません。

で、上記の店がないかわりに、地元の店があります。それが、鳥取県のそれぞれの「市」のキャラを濃くしています。つまり、米子市には〇〇という店がある、倉吉市には▽▽という店がある、鳥取市には□□という店がある、というように。

フランチャイズの店が一律にどの市にもある場合は、それぞれの市の個性が薄まりますが、鳥取県の場合はそういうわけではないので、市の個性が際立つわけです。

鳥取県独自の店「すなば珈琲」。スターバックスに対抗?

ちなみに、「鳥取県独自の店」で全国的に有名なのは「すなば珈琲」でしょう。2014年の4月に開業し、今(2019年1月現在)では鳥取県内に8店舗もあります。

wikipediaの項目にもなっています(;^_^A

すなば珈琲 – wikipedia

すなば珈琲は、鳥取県が2016年に行った「鳥取県の観光地認知度」という調査で堂々の4位に入っています。ちなみに1位は鳥取砂丘、2位は水木しげるロード、3位は大山(だいせん)です。

なぜ、すなば珈琲がここまで有名になったか、というと、鳥取県の平井伸治知事の発言「鳥取にはスタバはないけど、スナバがある」の影響ですね。

つまり、平井知事としては、鳥取県にスターバックスがないことの自虐ネタとして、そのような発言をメディアでしばしば行っていたわけです。この場合の「スナバ」というのは、鳥取砂丘のことです。

で、どうせなら「スナバ」という名前の珈琲店を作ってしまおう、ということで鳥取県の起業家が「すなば珈琲」を作ったんですね。それで話題になり、観光客に人気のスポットとなりました。

ちなみに、今では鳥取県にはスターバックスはあります。「すなば珈琲」が開業する直前くらいにできました。

で、鳥取のスターバックスの方も話題となり、スターバックスマニアの方は、わざわざ鳥取のスターバックスに行ったりしていましたね。特に、開店の日はものすごい行列ができていました(;^_^A

「ユナイテッド・ステイツ・オブ・鳥取」

ここまで見たきたとおり、鳥取県内には個性の強い文化圏が三つあります。おおげさな言い方をすれば、鳥取県内に独立州が3つあるようなもんです。いわば鳥取県は、「ユナイテッド・ステイツ・オブ・鳥取」なのです。

さすがにその言い方は大げさだとしても、鳥取県民は、確実にそれに近い感覚を持っています。

と、いうことはどうなるでしょう?

高校野球で鳥取を制覇した場合、「ユナイテッド・ステイツ・オブ・鳥取」を制覇したということになるわけです。まさにアメリカンドリーム。大きな三つの世界観のゲームをクリアした、という感じですね。

だから、満足感が生まれてしまうという側面は、確実にあります。なので甲子園で勝とうという気が起こらないわけです。

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