野人・岡野(岡野雅行)の本「野人伝」の衝撃。漫画「ルーキーズ」以上の世界です。

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前回の記事までの簡単なおさらい

どうも、鳥飼です。

今回の記事は、前回の続きです。前回まで簡単におさらいすると、

  • 鳥取県民は消極的である。
  • だから、鳥取の高校球児は消極的なマインドに染まっている。
  • 消極的だと練習の成果が出にくい。
  • だから、全国で勝てない。
  • 消極的なマインドを変えるには、「積極的な考えの人の本」を読むのが有効。

でしたね。

読むべき本、つまり「積極的な考えの人の本」は、あなたがピンときたものがあれば何でもOKです。でも、一応、僕からもおすすめしたい本があるので、この記事でご紹介しますね。

元日本代表サッカー選手・岡野雅行の「野人伝」は、積極的な気持ちになれる本!

それは、岡野雅行さんの「野人伝」です。あのサッカーの野人・岡野ですね。サッカーの本ですが、「積極的なマインド」を受け取るのにすごくいいのでご紹介します。

日本全国、全ての人におすすめしたい本ではありますが、特に、鳥取県民にとっては、これ以上、「マインドを変える本」はないのではないか、と思います。

その理由は・・・

  • 岡野雅行さんは、今、鳥取のサッカーチーム「ガイナーレ鳥取」のGMをされていること。
  • そのことから、岡野さんは鳥取県民にとって馴染み深いこと。
  • 岡野さんがプロサッカー選手になるまでの道のりは、鳥取県民のマインドである「消極性」とは真逆であること。

です。考えが真逆な人の本を読むことは、とても学ぶことが大きいものです。なのでぜひ、読んでみてください!

岡野雅行さん著書「野人伝」から学べること

岡野雅行さんの野人伝から学べることのいくつかを、以下に列挙してみました。

  • 鳥取県人に足りない、積極的なマインドの大切さ
  • どんな環境におかれても、あきらめない精神力
  • どんなに弱いチームも、ゼロから這い上がれるということ
  • どんなに名もない選手でも、プロになれるということ
  • お隣、島根県のエネルギッシュな姿勢

です。ひとつひとつ、説明しますね。

鳥取県人に足りない、積極的なマインドの大切さ

岡野さんは、「積極的なマインド」がハンパないまでに備わっています。高校時代にサッカー部のない高校でゼロからサッカー部を作り、監督兼選手として最終的に県大会の決勝に行くまでに成長させています。

これってすごくないですか?ゼロからサッカー部を作って、県大会決勝ですよ?

ちなみに、お隣の島根県の高校です。

高校時代の「野人・岡野」の経歴は?

ここでちょっと、高校時代の岡野さんの経歴を簡単に説明すると・・・

岡野雅行さんは、横浜の出身です。中学時代、サッカーを真剣にやっていて、ブラジルにサッカー留学したいと熱望していました。当時、三浦知良選手がブラジルで活躍していましたから、その影響がかなりあったようです。なので、岡野さんは、両親にブラジルに行かせてくれ、と頼みました。

さすがにブラジル行きを親は許可しませんでした。そういうわけで、国内の高校に進学することになったのですが、ここで岡野さんはミスってしまったのです。

それは、サッカー部のない高校に越境留学してしまったんですね。しかも、「不良を更生させるための高校」です。つまり、岡野さん以外はまわりは不良だらけという環境に入れられてしまったのです。

ちなみに「松江日大高校」という高校です。

なんでサッカー部がないのにこの高校に進学を決めてしまったのか、というと、「親戚が強くすすめてきたから」です。実はどうやら岡野さんの親戚がこの高校の関係者らしいですね。

なので、親戚としてはぜひ、身内を入学させたかったということでしょう。

「サッカー部があるよ」とウソをついて、岡野さんを入学させてしまったんです。当時は、インターネットがありませんから高校のことなんて調べられません。そういうこともあって、岡野さんは親戚の言葉を信じて、入学してしまったんですね。

もちろん、入学したての頃は最悪な気持ちになったそうです。そりゃそうですよね。「サッカーをやれる」と思って入学したのに、サッカー部はないしまわりは不良だらけだし・・・

しかし!

岡野さんは、クサることなく、この高校で意地でもサッカーをしようと考えました。そして、まわりの不良たちを勧誘して、少しずつ入部させ、メンバーをそろえました。一人だけサッカー経験者がいましたが、あとは全員、ド素人です。

(なお、その「唯一のサッカー経験者」は栂野直宏さんという方で、現在は「トガノ建設」の社長です。「トガノ建設」はガイナーレ鳥取のスポンサーをしており、協賛試合、ファン招待企画などを催しているのでファンにとってはなじみ深い企業です)

当然、こんなのでは試合になりません。いや、それは、サッカーが下手すぎて試合ができないという意味の他に、もうひとつ理由がありました。それは、

練習試合さえ組めないという状況

だったんです。

なぜなら、松江日大高校は不良高校ということでまわりから恐れられていたからなんです。だから、そんな高校と試合なんかして、ケンカをふっかけられては大変だということで、どこも試合をしてくれなかったというわけなんです。

ちなみに・・・

この高校は今は方針をかえて、進学・スポーツに特化しています。名前も変えました。立正大湘南高校です。甲子園でも有名ですよね!プロのサッカー選手もたくさん輩出しています。

あくまで、今、ここで書いている話は、過去の話ですから、誤解しないようにしてくださいね。

ともかくも、岡野さんは試合すら組めないという状況の中、それでも試合してくれるようになんとか画策して、いよいよ記念すべき「サッカー部の最初の試合」をすることになりました。練習試合ですけどね。

しかし!

ここでとんでもないことが起きました。相手の選手たちと試合中にみんながケンカしてしまったんです。ものすごい乱闘さわぎになって、試合どころではなくなりました。

普通なら、さすがにここで「サッカー部を運営する」なんて諦めます。でも、岡野さんは違いました。ここから立て直して、まずは部員たちに「ケンカではなく、サッカーをしてください」と頼むところから始めました。

なので、ゼロからのスタートどころじゃありませんね。マイナスからのスタートになってしまいました。

で、ここからかなり話は飛ばしますが、この乱闘さわぎの練習試合から2年後。松江日大高校サッカー部は島根県大会の決勝に残るまでになりました。

決勝では負けてしまいましたが、接戦ですよ。PK戦になり、最後の最後で、岡野さん自らがシュートを外してしまって、負けとなったのです。

マイナスからスタートして、全国大会まであと数センチ、というところまで行ったのは、すごいことですね!

まるで漫画「ルーキーズ」のようです・・・

もし、鳥取県人だったら・・・

鳥取県人には、こんなマインドはありません。

そもそも鳥取県人なら、「不良だらけでサッカー部もない」という最悪な状況に来たら、「サッカー部を作ろう」という発想すら浮かびません。おとなしく、先生の指導に従うだけだったでしょうね。

もともと、岡野さんがサッカー部を作ると言い始めたときは、先生を含め誰も賛成しませんでした。それをはねのけて、しかも怖い怖い不良たちを勧誘してサッカー部を作る。これは、かなり「鳥取的な考え」とは反対に位置するものです。

なので、鳥取県の人たちにはほんの少しでもいいので、岡野さんのような積極性を持ってほしいな、と思います。この本は、そうなれるための要素がたくさん、つまっていますよ!

どんな環境におかれても、あきらめない、精神力

岡野さんが諦めない心を持っていることは、高校時代のエピソードを見るだけで十分にわかります。

しかし、その後もすごいですよ。

岡野さんの高校、松江日大高校は、当時、日大と提携していました(今は立正大と提携しています)。なので、岡野さんは日大に進学しました。

大学でも岡野さんはサッカーをしようと考え、サッカー部に入りました。しかし、岡野さんは当時、無名な選手です。実績もありません。島根の県大会では決勝まで行きましたが、最後は負けましたからね。

しかもサッカー強豪校出身でもないので、大学では岡野さんは完全に戦力外でした。だから、入部は認められたものの、あくまで「洗濯係」としての入部でした。

ただ、やっぱりここでも岡野さんはあきらめなかったんですね。試合どころか、練習もまともにさせてくれないという状況の中で、「いつかは自分にチャンスが来る」ということを信じて、自主的に練習をしていたのです。

なので、いざ、「新しい選手が必要だ」という局面になったときに、しっかり練習して準備していた岡野さんが試合で使ってもらえることとなったわけですね。

そして最終的には、プロ入りしました。

なので、もし今、鳥取で野球をしていて、メンバー入りできない、などで悩んでいる人は、ぜひ、岡野さんのマインドを少しでも吸収してくれたらな、と思います。

もしかしたら、チームの状況がかわって、メンバーが入れ替わるかもしれません。そんなときにチャンスが向いてくるのは、「しっかりと準備していたあなた」です。

どんな状況にいても、たとえメンバーに入れなくても、あきらめない心が必要ですね。もちろん、球児だけでなく、鳥取県民は総じて、「すぐにあきらめてしまう」傾向がありますから、岡野さんのマインドを、頭に叩き込んでおきたいものです。

鳥取県民の口ぐせは「どうせ、いけん(どうせ、ダメだ)。」

以前の記事でも書きましたが、僕は鳥取県内でよく鳥取県人の「とある口ぐせ」を聞きました。こんな口ぐせです。

「どうせ、いけん(どうせ、ダメだ)。」

「あきらめ」の言葉ですね。聞いただけでなく、僕もこの言葉、言っちゃってたなあ・・・

僕も鳥取県人ですから、自戒をこめてこの文章を書いています。あきらめないこと。とても大事ですね!

どんなに弱いチームでも、ゼロから這い上がれるということ

ここまで説明したとおり、岡野さんの高校時代は、「サッカー部がない」という状況からスタートしました。ゼロどころかマイナスからのスタートです。それが、最終的には、

「県予選決勝の、PK最後のシュート」

まで行けたんですよ?

これを、鳥取県の高校野球に当てはめて考えてみましょう。

今、野球部がない高校が野球部を作ったとします。そうですね・・・。鳥取敬愛高校とか、米子北斗高校といったところでしょうか。

仮に、鳥取敬愛高校が野球部を作ったとしましょう。しかも、岡野さんのサッカー部のように、経験者は「たったの2人」で、あとはド素人という条件です。

あなたは想像できますか?

鳥取敬愛高校の野球部が、2年後に鳥取県予選の決勝まで行くところを。しかも、同点で延長戦まで行くという快挙を・・・

もし、

「想像できた」

という人は、岡野雅行さんのような「積極性マインド」を持っている人です。なので、そのマインドをもっと大きくしていきましょう。

で、もし

「想像できなかった」

という場合。鳥取県人特有の、「消極性マインド」にすっかりハマってしまっています。なので、まずは積極性を持つところから始めましょう。

ましてや、今、「野球部がある」高校の場合は・・・?

ましてや、今、「野球部がある」高校の場合は、岡野さんのように、ゼロからスタートしているわけではありませんね。しかもすでに、中学まで野球を経験してきたメンバーがそろっています。

たとえ米子工専や鳥取湖陵、青谷高校など、まだ一度も甲子園に行ったことがない高校であっても、「野球部はある」わけです。だから全然、鳥取予選で決勝に行くくらいなら、できます。もう、余裕、余裕ですよ。

特に鳥取県の夏の予選は、24校くらいしか出ませんからね。どこの高校も、甲子園に出るチャンスがあるということですよ!

じゃあ、すでに甲子園に出たことがある高校の場合は・・・?

そしてすでに甲子園には出たことのある高校の場合。たとえば鳥取城北や鳥取西、八頭、米子東、境、米子松蔭、倉吉北、倉吉東といった高校ですね。

このレベルの高校なら、鳥取県予選くらいは、余裕で勝ちあがれると思いませんか?そして全国でも勝てる気がしませんか?岡野さんの高校時代を見てください。どれだけ恵まれた状況か・・・

いや、ほんと、余裕ですよ。それぐらい、強気でいましょう。

そしてぜひ、岡野さんのような、あきらめない心を持ってもらえたらな、と思います。

どんなに名もない選手でも、プロになれるということ

岡野さんの学生時代は、「名もないサッカー部員」にすぎませんでした。たしかに島根県の決勝まで行きましたが、全国大会は逃しています。しかも、サッカー弱小校ですからね。

でも、プロになれました。

岡野雅行さんの「野人伝」を読むと、そのあたりのいきさつが書かれていますよ。鳥取県は、プロ野球選手、プロサッカー選手が極端に少ないですから、とても参考になります。

果たしてどういう人が、プロになっていくのか。それが、この「野人伝」には書かれているんですね。

ぜひ、一人でも多く、鳥取の高校球児にはプロを目指してもらいたいな、と思います。そしてもし、プロ入りして活躍したら・・・

それが鳥取県民にとってははげみになります。で、鳥取県民のマインドが積極的になって、経済も活性化されるはずです。

もちろん、スポーツ以外の分野でも、鳥取県人には、もっともっと頑張ってほしいと思っています!

お隣、島根県民のエネルギッシュな姿勢

全国の人は、鳥取県と島根県は同じようなもんだというイメージを持っていると思います。たしかに、隣同士ですし、同じ山陰ですしね。

でも、実際はかなり違いますよね? 簡単に言えば鳥取県民は草食系、島根県民は肉食系です。実際、政治・経済・芸能・スポーツ、あらゆる分野で島根県の方が実績があります。

この「鳥取・島根は違います問題」については、このブログでも後々語っていく予定です。

ともかくも、鳥取県民に、岡野雅行さんの「野人伝」から、島根県のエネルギッシュなところを少しでも吸収してもらいたいと思っています。

—関連記事—

お隣・島根県の開星高校が1998年に選抜候補から外された件①

お隣・島根県の開星高校が1998年に選抜候補から外された件②

もちろん、鳥取には鳥取の良さがあります。消極的であるために、平和な日常を送ることができていますからね。でも、スポーツにおいては、それではやはりダメです。

全国で上位に行くためには、やはり、島根県民のような積極性を身につけなけれないけません。

岡野雅行さんは横浜出身であり、島根県には高校時代だけいたわけですが、著書を読めば島根県民の「積極性」がムンムンと伝わってきますよ。

だいたい、「ヤンキー更生のための高校」なるものがあったということ自体が、すごいことです。鳥取では考えられません。

その高校には全国から不良ばかりが集まっているのですが、もちろん、地元の不良も相当なもので、ガチンコもかなりあったようです。

もちろん、ガチンコを擁護するわけではありません。それは絶対にいけないことです。

しかし、その「強気のマインド」だけは、かなり参考になると思います。鳥取県民も、肉食系の要素を少しでも持っていないと、これからの時代はつぶされてしまいます。

そもそも県の運営も、ほとんどが国からの補助金(地方交付税交付金など)に頼っている状態です。

いくら鳥取が平和だといっても、このままだと「砂上の楼閣」と言わざるを得ません。親からの仕送りで平和に生きている大学生のようなものです。

県として、しっかりとアピールすべきことはアピールし、もっと外に向かって運営していかなければなりません。

高校野球の強化も、その一環です。鳥取の選手が全国で大活躍することによって、鳥取県民のマインドが積極的になり、いろいろな分野で全国へ向けてアピールすることができるようになるでしょう。

お隣の島根県は、まさに鳥取がまずは目指すべきゴールだと思います。地理的にも近いですし、新聞もテレビ局も一緒なので島根の情報はたくさん入ってきますからね。

ぜひ、島根のいいところは、どんどん取り入れていきましょう。

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